久々に雑記系です。
近々引越しの予定があるので、先日引越し業者数社の見積もりを聞いてきました。そこでちょっと面白いなと思ったことがありましたので、それをVUI系にこじつけてみようと思います。
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「引越し料金勝負」に「エアコン値引き」で対抗してきた大手
これは主観ですが、引越し業者は大手の方がコストが高めだけど安心して頼みやすく、地元の企業であれば小回りの効きやすさや値段で有利というイメージがあります。
で、案の定見積りの結果も地元系の方が5万円以上安くなりました。で、それを大手引越社の営業担当に伝えたところ、出てきた言葉がこれでした。
「引越し代金の値引きはキツいですが、エアコンをウチ経由で買ってもらえれば引越し当日に全部使える様にしますし、トータルで安くなるようにしますよ。」
「引越しの手配とエアコンの手配をまとめて、1日でやる」という提案
「なんで引越の会社がエアコン売ってんねん」と思わないでもなかったですが、よくよく考えてみると悪くない提案だなとちょっと感心しました。
というのもだいたいの場合、引越しが終わってからエアコンの取り付けに来てもらう形になりますし、エアコンの購入なども引越しとは別にやる必要があります。引越し作業中に家電量販店から来た取り付け業者が来ようものなら部屋の中がわちゃわちゃになりそうですよね。
が、引越し業者が一括で請け負えば引越し時の作業の一環として設置までしてもらえるので、引越し業者が帰った後にはエアコンも使えるようになっています。
購入できるエアコンが希望にあったものかや、本当にトータルで安くなるのかという点については要検討ですが、こういう形で低価格帯の業者に対抗しようという動きは面白いなと思います。
入り口はいろいろあるけども、達成したい事は1つだけだったりする
引越しの場合、「引越し」「家電の購入・設置」「家具の購入・設置」などなど、やるべきことはいろいろあります。が、すごくざっくりまとめてしまうと、「その部屋で生活できるようにしたい」という目的のための行動と括ることができるかなと思います。
引越しや家電・家具という括りで見ると、どうしても質や料金での勝負になりがちです。が、「新生活のセットアップ」と考えると、提案できる幅も増えます。また、トータルで利益が出るようにする調整もやりやすくなります。マクドナルドがセット売りで原価率を下げているという噂はあちこちで聞きますが、似たようなやり方ですね。
そう考えると、webやVUIというのもそれに囚われずに企画や設計をする必要があるのかなと思います。
「おしゃべりしたい」のか「何かをするのに声が丁度よかったのか」
Microsoftの「Cortana」と「りんな」の違いを説明する際によく用いられる表現ですが、「秘書のように目的達成のために動くbot」と「友人のように会話そのものを目的として動くbot」の2種類が存在します。
AIアシスタントのCortanaはマイクロソフト社の提供である点が共通しており、検索エンジンとしてもりんなと同じBingを使用している[68]。しかし、りんなはCortanaと比べて、「面白い、興味深い」という部分に力を入れて開発されている[1]。使用用途が異なるため、学習のためのテキスト情報は両者別々のデータベースに蓄積されている[68]。Cortanaや、アップル社のSiriが利用者にとっての秘書のような役割を果たしているのに対し、りんなは「楽しい友人」としての役割を持っているといわれている[44]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/りんな_(人工知能)#比較
Alexaであればスマートホームスキルやフラッシュニュース系などは完全に秘書型ですし、ピカチュウトークなどは会話型であるといえるでしょう。
秘書型スキルの例
会話型スキルの例
VUIだからできることを意識するために、VUIに留まらない
AlexaなどのVUIスキルを作っていると、どうしてもAlexaの中で完結させたい。Alexa + Amazonの範囲でやりたいという気持ちになりがちです。が、よくよく考えるとカレンダーと絡めた会話や音声指示をしたいならGoogleカレンダーやiOSのカレンダーと連携した方が便利ですし、スキルで設定を細かく行いたいならLINEのbotやWebアプリを用意した方がよいかもしれません。
「音声でXXをやりたい」「音声でXXができると便利」という声の裏には、引越し業者が提案したエアコンのような「気づかれていないけども、欲しかったもの」が含まれているということは少なくないと思います。
アプリなどと連動するギミックのあるスキルの例
webもまた、ブラウザだけに囚われる必要はないかもしれない
webについても、WordPressかJAMstackかのような様々な議論がありますが、本当に考えないといけないことはブラウザの外にあるかもしれません。
PWA、というかService Workerによって地下や空の上などのオフライン空間でもwebにアクセスすることができるようになりました。
websocketを使うことで双方向のリアルタイムな会話ができるようになりましたし、IoTデバイスからくる情報をライブで受け取ることもできるようになっています。
StripeやLINE Pay・Amazon Payなどの決済系サービスの動きを見ていると、web上で行うために生まれた決済サービスが電話やPOSなどのリアルな空間に進出してきています。
webサイトで気になったお店の情報をアプリに流し、VUIに話しかけるとweb / アプリのデータをもとにお勧めが紹介される。車に乗ると、VUIとの会話で決めた行き先がすでにカーナビに登録されていて、そのまま出発できる。
そんなリアルとwebとVUIとetcが混ざり合った体験というのもこれから増えてくるのではないでしょうか。
余談ですが、SCRAPのリアル脱出ゲーム系の本やアプリなんかは、割とweb / 本 / リアルが入り混じった体験が多い印象もありますね。アプリの「人狼村からの脱出」はギミックが凝っていてかなり好きでした。
ほんとうのマルチモーダルってなんだろう
かなりとりとめのない内容になってきていますが、「VUIだからこれ、webだからこれという先入観をどれだけ捨てて考えることができるか」ということが2020年のテーマかなと思います。
そういう方向のスキルや記事をこれから出していくことができればと思いますので、2020年もよろしくお願いします。